NPO法人建築思考プラットホーム

PLAT組織概要

ABOUT US


CONCEPT

Platform for
Architectural
Thinking

 

建築思考プラットフォーム

 

建築的発想でとらえてみる。
新しい可能性が見えてくる。

 

 

成長のピークを越えた日本の社会は今、少子高齢社会特有の停滞と経済的課題に直面しています。また、繰り返し訪れる自然災害は、生活の根本的破壊のリスクをもたらし続けています。こうしたなか、社会が今本当に必要としているもの、社会に本当の価値をもたらすものは、右肩上がりの30年前とは大きく異なっています。 私たちの生活環境に、都市、まち、建築といった大きなハードウェアは不可欠ですが、都市や建築のデザインは社会が抱える課題の解決に、本当に役立っているでしょうか? 都市・生活環境は大資本や情報技術によって整備され、市場経済の論理が支配せざるを得ないのが現実ですが、それを受け入れるだけでいいのでしょうか? 建築の本質的な価値が何なのかが一般的に理解されていないため、ハードウェアの変化について判断をすることが難しい、という問題も大きいのではないかと私たちは考えます。

 

近年、デザイン思考という言葉が日本でも使われ始めています。同様に、建築的にものごとを発想する「建築思考」というものがあります。課題を空間的に捉え、人間の営みを時間的に構成し、視覚的にコミュニケートし……というように、建築や都市をつくるときに必要とされる思考力です。建築を専門としない一般の人々の間にも、この思考が共有されるようになれば、建築や都市の姿だけでなく、広く社会の様々な領域が建築の本質的な価値、いわば「建築力」によって豊かになるはずです。

 

とえば、社会のどこにどんな課題や可能性があるのかを、空間的な観察や社会背景に潜む関係を総合的に理解するリサーチによって把握するのが「建築思考」です。また、空間的な構想力を使いながら長期的スパンで新しいシナリオを組み立て、空間のありようと一体化した課題解決を試みることも、「建築思考」によって可能となります。

 

PLAT(建築思考プラットフォーム)は、この「建築思考」のもたらす可能性や豊かさを広く社会に示し、より多くの人々に共有され、活用されるよう、様々な活動を展開するために生まれた組織です。建築思考によって日本社会に潜在する新しい可能性を掘り起こし、行動に移していくことができれば、日本の都市・生活環境に新しい価値、より豊かな変化がもたらされるでしょう。

 

建築思考プラットフォーム

 

 

 

 

concept map

 

太田佳代子
太田佳代子

太田佳代子 Kayoko Ota

建築キュレーター/編集者

オランダの建築設計事務所OMAのシンクタンクAMOを経て、現在、ハーバード大学デザイン大学院特任研究員。日本都市研究プロジェクトに携わり、日本の都市と建築をめぐる思考の国際的発信に努める。2018-2021年、カナダ建築センター(CCA)特任キュレーター、2014年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナー、2015年同国際美術展中国館アドバイザー。2004-2006年雑誌「DOMUS」副編集長・編集委員。おもな編著に『SHIBUYA! ハーバード大学院生が10年後の渋谷を考える』(共著)、『Project Japan: Metabolism Talks…』『Post-Occupancy』など。

 

関 康子
関 康子

関 康子 Yasuko Seki

編集者

デザインエディター。1991-96年『AXIS』編集長を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動。2001年、子どもの遊び文化を創造するためのトライプラスを共同設立、ワークショップ、展覧会の企画運営、『おもちゃと遊びのコンシェルジェ』等を出版。主な編著、著書に『ニッポンのデザイナー100人』『ニッポンをデザインした巨匠たち』(共に朝日新聞社、共著)、『倉俣史朗読本』『倉俣史朗入門』(共にADP、編著)など。女子美術大学非常勤講師

 

白井宏昌
白井宏昌

白井宏昌 Hiromasa Shirai

建築家/滋賀県立大学教授

早稲田大学大学院修士課程、ロンドン大学政治経済学院博士課程修了。博士(都市社会学)。Kajima Design、 OMA(オランダ)、ロンドンオリンピックパーク・マスタープラン チームを経て、2010年にH2Rアーキテクツを共同設立。2015年から滋賀県立大学に赴任し、地域資源を活用した建築・都市空間の実践的研究に携わる。また博士論文で探求した「オリンピック都市」の研究も継続的に行っている。主な作品に「彦根麦酒荒神山醸造所(滋賀県彦根市)」「Readin’ Writin’ Tawaramachi(東京都台東区)」「六畳の洞窟(滋賀県彦根市)」。

 

小林恵吾
小林恵吾

小林恵吾 Keigo Kobayashi

建築家/早稲田大学准教授

早稲田大学、ハーバード大学大学院デザイン学部 (GSD) を卒業後、2005年から2012年までオランダの建築・都市設計事務所OMA-AMO(ロッテルダム)に勤務。おもに中近東諸国や北アフリカ地域の大規模建築や都市計画プロジェクトに携わる。2014年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館で展示計画を担当。