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DESIGN ARCHIVE

金沢工業大学 建築アーカイヴス研究所

 

インタビュー:2019年7月9日 13:30~15:30
取材場所:金沢工業大学 建築アーカイヴス研究所
取材先:山崎幹泰さん(建築アーカイヴス研究所 所長/金沢工業大学 教授)
佐藤康二さん(建築アーカイヴス研究所 研究員)
インタビュアー:関康子、涌井彰子
ライティング:涌井彰子

Description

前書き

金沢工業大学(KIT)にある建築アーカイヴス研究所は、日本建築家協会(JIA)と金沢工業大学(KIT)との共同により設立された「JIA-KIT建築アーカイヴス」の資料を所管する機関として、2007年に設立された。以来、12年間にわたり、建築関連資料を収集し、保存、整理、調査を重ねている。前回、2017年1月に訪問した折には、研究所の概要を伺うとともに、キャンパス内に点在するアーカイブスの保管庫を拝見させていただいた。
そこには、資料の1点1点が丁寧に整理され保管されている部屋がある一方で、まだそこまで整理できる段階に至らない、大量の段ボール箱に覆い尽くされた部屋がいくつもあり、そのボリュームに圧倒された。これらの資料の山を、どのようなかたちで受け入れ、どのように管理しているのか。整理に携わる人員とスペースをどうやりくりしているのか。アーカイブスを送る側が、ひと手間かけるだけで少しは作業が軽減することはできないのだろうか。そうした現場の状況を知るために、再び訪問させていただき、アーカイブスの受け入れから整理、活用方法まで、現場の状況を伺った。

Interview

インタビュー

誰かががんばって残してきたものを、すくい取って残す
そのために、細く長く続けられるようにしています

大量の資料を管理するには段階的整理が必要

 昨年の1月に訪問した際は、竺覚暁先生から建築アーカイヴス研究所の全体的な取り組みに関するお話を伺いました。今回は、具体的なアーカイブスの整理法や今後の課題などについてお聞かせいただきたいと思います。

 

山崎 2007年に建築アーカイヴス研究所が設立されてから10年目という節目を機に、私が所長を引き継ぎました。竺は顧問として現在も関わっております。アーカイブスの整理に関しては、専任の研究員である佐藤が日々携わっておりますので、彼から具体的な話をさせていただき、私はそれを補足するかたちにしたいと思います。

 

佐藤 私が日々行っている仕事の大まかな流れは、こちら(以下の図)に示している通りです。まず一時整理として行うのが、資料受入台帳の作成。この段階では、大量に届いた段ボールに箱番号を記入し、保管場所、寄贈者名、段ボールの個数、受入日を記録したファイルを作成します。そして、この台帳を段ボールの写真とともに寄贈していただいた方に送り、間違いなく受け取った旨を報告します。これらは、可能な限り受け入れた当日に行っている作業です。
次の段階で、受け入れた段ボールを開封します。段ボールの中には、図面ファイルや筒などが入っているので、その一つひとつに箱番号を付け、それぞれの箱に記されている内容物の情報を記録してリスト化します。ここまでが日常的に行っている作業です。

 

山崎 このリストを確実につくっておけば、外部から資料の有無に関する問い合わせにも対応できますので、ここまでの段階では、箱に書かれている内容と実際の中身との照合は行いません。その先の整理については、本学の学生が研究に使用する場合や、外部の研究者が調べにいらしたときに、ついでに整理してもらうかたちで進めているので、引き合いのあるものは整理が進みますし、そうでないものはそのままの状態が続くことになります。また、私のゼミの学生や、他の研究のゼミで学生を使って整理することもあります。

 

佐藤 そのときに、ファイルや筒の中身を確認して、図面に書かれている作品名、日付、担当者名、図面種別などを抽出してリストを作成します。さらに、それらを作品ごとに分類してリスト化して、段ボール箱から中性紙保存箱に移し替える。このときに、中性紙保存箱のサイズを頭に付けた通し番号を新たに付けて管理します。そして最後にインベントリー(資料1点ごとのリスト)を作成するという流れです。

 

金沢工業大学資料館

1. 資料の受け入れから1点ごとに整理するまでの段階を表した図
2. 二次整理を経て、内容物ごとに分類された資料のリスト(図の5-3に該当)
3. さらに作品ごとに分類された資料のリスト(図の5-4に該当)
4. 整理の最終段階で作成されるインベントリー
 

 

 

 こうした整理手法を築くまでには、ご苦労が多かったと思いますが、佐藤さんはもともとアーカイビングに関する勉強をされていたのですか。

 

佐藤 いいえ。私は、もともと設計事務所で働いていたんです。それで、設計や施工などの現場の流れもわかるし、図面は手書きもCADもわかるので、適任だということでこちらに呼ばれました。当初は、1箱ずつ開封して1点ずつ整理するということだったのですが、資料の全貌を把握してからでないと、最終的な整理まで行き着かないということが、実践していくなかでわかりました。というのも、一つの段ボールの中に一つの作品が整理されて入っているわけではないので、すべて開けてみなければわからないからです。
例えば、一つの作品に1番から50番までの図面番号があるリストがあるとします。最終的にその作品の図面数が50枚だということは、すべての段ボールを開封して分別して初めて判明するんです。これが、特定の作品に絞って寄贈していただいた場合であれば、総数も多くないので、初めから1点ずつ整理することも可能なのですが、何十箱、多いときには100箱も未整理のまま届くこともあるので、そのやり方は不可能でした。

 

 作品名とプロジェクト名が異なる場合がありますよね。それを、最初から見分けることはできるのでしょうか。

 

佐藤 最初のリストをつくっている段階では、中身との照合はしないので判別できません。インベントリーを作成する段階で、作品発表をしたときの名前を作品名1、プロジェクト名を作品名2、というかたちで統一しています。

 

山崎 有名な建物でも、プロジェクト名だけではさっぱりわかりません。それで、プロジェクト名と作品名の照合リストを別につくっているのですが、そのためには内容の分析までやらなくてはいけない。ですから、最初のリストを作成する時点では、図面に書いてある名称や、外の袋に書いてある名称をそのまま記録しています。

 

金沢工業大学資料館 金沢工業大学資料館

5. 中性紙保存箱に収納された図面 

 

 

受け入れ前の現地確認で実態を把握

 資料を受け入れる前の段階で、どんな内容のものがどれくらいあるのか、どのように確認されているのですか。

 

佐藤 できるだけ現地に行って、どれだけのボリュームの資料が、どういう状態で保管されているのかを確認するようにしています。われわれは、寄贈者の意思を尊重して、可能な範囲で受け入れるようにしているので、建築家ご本人が寄贈したいものを選別してくださる場合は、ひじょうに助かるのですが、ご本人が亡くなっている場合、ご遺族もお弟子さんも何を残せばいいのかわからないというケースも少なくありません。 先方で見繕って送ってくれることもあるのですが、何もかもすべて送られて来られる場合もあるので、そうなると収蔵庫を確保することがひじょうに大変です。ですから、現地に行ってどういったものがあるのかを確認して、なるべく残したいものだけを寄贈してくださいというお願いはしています。
また、現地確認ができない場合は、事前に資料のリストがあるかどうかを確認したり、資料の写真を送ってもらったりします。

 

山崎 ご自宅と設計事務所を兼ねた建物の地下に、図面や書籍のほか、趣味で蒐集したコレクションなどを保管している建築家の方がいらしたのですが、その書庫をご本人に案内してもらって、今回預けたい図面はこれとこれ、と直接教えていただいたことがあります。その場でおおよそのボリュームを把握できたので、運送会社に見積もりを出してもらう段階まですぐに話を進めることができました。
また、ご本人が亡くなられている例ですと、ご自宅を兼ねた設計事務所が生前のまま残っていて、ご遺族もお弟子さんも、どこまでが寄贈の範囲なのか把握できないということがありました。このときは、OBの方がつくられた資料リストがあったのですが、図面は棚に放り込んだままの状態なので実物と照合できず、実際のボリュームが予測できませんでした。それで、もう少し整理を進めてもらってパッケージができるまで、だいぶ長いやりとりをしました。
最近では、ご本人が亡くなられた後、ご自宅で資料を保管して整理されている奥様と事務所のOBの方が、寄贈に関する相談にいらしたことがあります。そして、こちらの保存状況などを直接見学していただいたり、われわれが現地に行って実物を確認したりするやりとりを昨年の春頃から続けて、今年になって資料が届きました。

 

 そうしたやりとりは、1件当たりどれくらいの時間がかかるのですか。

 

佐藤 だいたい1~2年ですね。

 

 それは長いですね。逆に、現地確認ができないのは、どのようなケースですか。

 

山崎 時間的に余裕がない場合です。どうしても急ぎだという場合は、資料の写真を撮っていただいて、そのボリュームを受け入れられるかを確認してから送ってもらうこともあります。例えば、事務所を引き払う日が迫っていて、それまでに間に合わなければすべて処分されてしてしまう、ということがあったのですが、こちらも急には伺えないので、とりあえず緊急避難として送っていただくことになりました。

 

 そうした場合、あらゆるものが送られてくるわけですから、相当な量になりますよね。最も多いときで、段ボール何箱分くらいになるのですか。

 

佐藤 100箱くらい届いたこともありました。

 

金沢工業大学資料館

6. 寄贈された資料が集められた保管室 

 

 

残すものと処分するものの選別

 できるだけ寄贈者のご意向に沿うとのことですが、受け入れていないものはありますか。

 

山崎 本は、基本的に受け入れていません。本学の図書館にない本は図書館に収蔵して、設計作品や作品集などアーカイブとして必要なものは残しますが、ほかは処分しています。受け入れないというよりは、処分することを事前にご了承いただいたうえで、資料と一緒に送ってもらうことが多いです。

 

佐藤 一番多いのは、ご自身の作品が掲載された雑誌ですね。

 

山崎 それと、デジタルデータは基本的には受け入れていません。研究所の設立の趣旨は、手書きの図面が失われている状況のなか、それらを残していこうというのが前提なので、基本的にはスケッチなどの手書きの図面と、それに関係する資料を対象としています。デジタル化した以降のものに関しては、手書きのものと一緒に預かることもありますが、やってみるといろいろと問題も出てくるので、今のところは対象としないという方針にしています。

 

 建築写真はどうですか。

 

山崎 工事写真などはアーカイブスとして残していますが、写真の著作権もいろいろ難しいので、建築写真は集めていません。展示会などで図面を展示するときなど、建築写真が必要なときは「DAAS」というデジタルアーカイブスの組織に協力していただいています。

 

 図面以外のものも受け入れるケースは多いのですか。

 

山崎 図面だけなく、プライベートなものも入って来ることは多いです。ご本人が亡くなられてご意思がわからず、一切合切の資料が送られてきた場合でも、その方の人物像が見えるものなどについては基本的には受け入れて、展示会などで図面と併せて展示することもあります。逆に、ご本人がこれとこれだけを遺してほしいと希望される場合は、その範囲でお預かりしますので、こちらからこれを寄贈してほしいとお願いするようなことはありません。

 

 手書きの図面は、デジタル化されるのですか。

 

佐藤 本学の学生が論文に使うときや、展示会などを行うとき、外部の閲覧者からの依頼に応じて複写や撮影をすることはありますが、初めからデジタルデータ化することはしていません。先ほどお話ししたように、段階を経てからでないとインベントリーをつくることができないので、それより前にデジタルデータ化しても、それがどこの何なのかがわからないので。

 

山崎 研究所を立ち上げたときには、地方に寄贈することがデメリットにならないように、デジタルデータベースをつくって、いつでも見られるように公開することを最優先事項として考えていたのですが、実際にやってみると最初からいきなりはできないということがわかったのです。

 

寄贈する側が事前にしておくべきこと

 予算も人材もスペースも確保するのが難しいなかで、受け入れる側の負担を少しでも軽減するには、預ける側が事前に準備をしておくことが重要だと思うのですが、寄贈者が最低限これだけはやっておいてくれると助かる、ということは具体的にどのようなことですか。

 

佐藤 まず、残したいものとそうでないものについて、ご本人がセレクトしていただけると助かります。ご本人が意思を伝えないまま亡くなってしまうと、ご遺族もお弟子さんも、心情的にすべて残したくなるものです。かといって、これだけのスペースが必要なのですから、自分たちで全部引き取るわけにもいきませんし、セレクトしようにも、ご遺族が建築について何も知らない方だったら、何が大事なのかもわかりません。そうしたことが、残された方々みんなの苦悩になってしまうので。

 

山崎 捨てられるものの中には、別の人から見れば価値のあるものがあるかもしれないので、本来は全部残せることに越したことはないのですが、数が多すぎると大切なものまで埋もれてしまいます。そうすると、たくさんあってもないのと同じことになってしまうので、これだけは絶対に残してほしい、これは可能であれば残してほしい、というように分別しておいていただけると助かるという思いはあります。
また、どこの設計事務所でも、一つのプロジェクトが終わると、重要なものだけを残して必要のないものは処分して、次の仕事に入っていきますよね。そうやって日々資料を整理し続けてきたものが最後まで残っていて、最終的にうちが預かるようなかたちになっているわけです。その仕事の流れ自体がアーカイビングなので、新しく箱に詰め替えたりするよりも、仕事のときに整理してきた状態のまま、こちらに持ってきていただけるのが一番ありがたいなと思います。

 

佐藤 それと、業務台帳のようなものがきちんと残っていると、アーカイビングに役立ちます。まめに記された業務台帳には、プロジェクト名、場所、設計期間、施工期間、設計した担当者、施工したゼネコン名、設計管理金額、工事請負金額など、誰が、いつ、何を、どこでやったのかという手がかりがすべて書かれていますから。

 

 送るときに、最低限やっておいてほしいことは、どんなことですか。

 

佐藤 一つひとつのダンボールの中に、何が入っているのかがわかるようにしてもらえると助かります。さらにできるようでしたら、箱の中に入れた内容物ごとのリストがあれば、すぐにインベントリーを作成できるので、ひじょうにありがたいです。

 

スペースの確保と費用対効果の問題

 研究所の立ち上げから12年が経過して、これまでに感じた一番の問題点はどんなことですか。

 

山崎 やはりスペースの問題です。整理を進めれば進めるほど、容量は増えて行くので、そのたびに場所を確保しなければいけないという問題があります。段ボールにぎっしり詰められた状態から、中身を開けて中性紙保存箱に入れ替えると、3倍の量になるので。
立ち上げの時点では、すでに重要な建築家の方が亡くなられていて、すでに捨てられてしまったものもあるだろうし、CADへの移行によって新たに手書きの図面が生み出されることは二度とないので、ある程度で頭打ちになるだろうと予測していました。実際に、この12年で爆発的にボリュームが増えてスペースがなくなるようなことはなかったのですが、それでも常に大学との交渉は必要です。当然、スペースを提供するに見合った成果を求められるのですが、アーカイブスは直接お金を生み出せるものではありません。ある程度のボリュームができて利用価値が高まれば、大学の宣伝効果になるということで、なんとかスペースを確保している状態です。

 

 JIAから資金は出ていないのですか。

 

山崎 資料整理に関する費用は、すべて大学が負担しています。ですから、できるだけお金がかからないようにやっていくしかありません。だから全部は整理せず、まずは捨てられないように避難させることを第一としています。今でも捨てられずに残っているものは、たまたま運がよかったか、誰かががんばって残してきたものだと思うので、せめてその分だけでもすくい取って残していけるように、細く長く続けられる方法を考えています。

 

 これまでに、トラブルなどはありませんでしたか。

 

山崎 今のところはありません。うちでは先に寄贈契約をしてから整理を始めるので、揉めることがないということもあります。これが、寄託として預かると、整理をしてから寄贈の範囲を決めて契約することになるので、整理をするまでの期限を定めなくてはなりません。そうなると量が多いものは受け入れられない。ですから、うちでは寄贈契約にして、その後の整理はこちらに任せていただいているので、現在のようなかたちでやれているんです。

 

佐藤 それも結局は、事前に保管場所を見に来ていただいたり現地確認に行ったりして、お互いが行き来しながら信頼関係をつくっているからだと思います。

 

金沢工業大学資料館

7. すでに整理が終わった、相田武文の「積み木の家Ⅷ」の図面 

 

 

アーカイブスの活用法と今後の展望

 こちらのアーカイブスは、論文のほか展示会や教材などにも活用されていると伺いました。それは、大学が求める成果の一つではないかと思うのですが、現状はどうなのでしょうか。

 

山崎 展示会は、大々的にやっているわけではないので、まだそこまでのPRにはなっていません。教材としては、図面を模型をつくる実習に利用しています。また、設計図面をトレースして製図の参考にするといいという意見もあります。けれども、ひと昔前の建築家の作品なので、今の学生からすると図面の書き方の勉強になっても、デザインとしては今の流行とは違うんですね。ですから、直接的に教材として活用できているかというと、そこまではまだ行っていないかなという思いはあります。ただ、アーカイブスをもち続けていくことによって、いずれ価値を生むだろうと思っています。顧問の竺が長年集めてきた「工学の曙文庫」という稀覯本のコレクションも、30年以上経ってからようやく巡回展を行って全国的に知られるようになりましたから。

 

 大学がアーカイビングに取り組む一番の狙いはどんなことですか。

 

山崎 研究中心の大学と教育中心の大学がありますが、本学は教育に力を入れている大学なので、預かった資料を研究目的だけでなく教育に利用するというのが一番の目的です。学生にとっては、自分たちが将来扱わなければいけない図面や書類を実際に目にするだけでも、生きた教材になりますので、模型をつくることも含めて、教育として還元しています。

 

佐藤 まさに百聞は一見にしかずで、学生が整理がてら丁寧にリストをつくれば、卒業論文を書くときにも役立ちますし、就職後の現場では、これだけたくさんの書類が必要なのだということがわかるので、それだけで十分勉強になるんです。だから、外部からの問い合わせがあったときも、まずはこちらに見に来てくださいと言っています。

 

山崎 常駐者が一人いるということはとても大事なことです。研究は教員と兼務でもできますが、問い合わせにすぐ対応できる窓口は必ず必要で、それが寄贈していただく方の信頼にもつながります。預ける側としては、寄贈したらそのまま二度と出してもらえないのではないか、ということが一番の心配事なので。

 

 整理を手伝っている学生の中に、アーカイビングの勉強がしたいという学生はいませんでしたか。

 

山崎 これまで大学院に進む学生には、アーカイビングの手伝いをさせてきたのですが、今は景気がいいので就職先にも困りませんから、これで食べていこうという学生はいませんね。大きな組織内のアーキビストとして、会社の資料を日々整理する仕事が成立するような環境ができれば、違ってくるかもしれません。ただ、大学では難しいので、それは民間企業のほうに期待したいところです。

 

佐藤 ゼネコンなどの大手企業には、社史をつくるような管理部門や現場にそういう人がいて、マニュアルで最低限残すものが決められていますからね。個人の設計事務所は、一つの仕事が終わったらすぐ次に移らなければいけないのでそんな余裕はありませんし、担当者によっても整理の仕方が違ってしまいます。

 

山崎 専門家になる必要はありませんが、うちで勉強した学生が、そういう縁の下の力持ちの仕事の大切さを知って、設計事務所に入って仕事をするようになったときには、率先して手を挙げてアーカイブスの整理をして将来は大学に寄贈する、というかたちで企業と大学と結んでくれる立場になってくれればいいですね。

 

 その通りだと思います。本日は、アーカイビングの現場の貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。貴重な資料を埋もれさせないためには、ご本人が自身のアーカイブスに対する意思を明確にしておくことと、資料を送る際には、段ボールに詰めた内容がわかるようにしておくことが、ひじょうに大事だということがよくわかりました。

 

 

 

 

金沢工業大学 建築アーカイヴス研究所のアーカイブの所在

〒921-8501 石川県野々市市扇が丘7-1 39号館1階108室

金沢工業大学 建築アーカイヴス研究所 https://wwwr.kanazawa-it.ac.jp/archi

 

問い合わせ先

Tel:076-248-8714(ご担当:佐藤様)
Fax:076-294-6707

 

HEARING & REPORT

どうなっているの?
この人たちのデザインアーカイブ

What's the deal? Design archive of these people

インテリアデザイナー

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北原 進   1937年生まれ

大橋 晃朗  1938年生まれ*

内田 繁   1943年生まれ*

杉本 貴志  1945年生まれ*

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北岡 節男  1946年生まれ*

藤江 和子  1947年生まれ

飯島 直樹  1949年生まれ

調査対象については変更する可能性もあります。

調査対象(個人)は、2006年朝日新聞社刊『ニッポンをデザインしてきた巨匠たち』を参照し、すでに死去されている方などを含め選定しています。

*は死去されている方です。

 

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