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DESIGN ARCHIVE

大阪中之島美術館準備室

 

インタビュー:2019年6月27日 13:30~15:00
取材場所:大阪中之島美術館 準備室
取材先:植木啓子さん(大阪中之島美術館準備室 研究副主幹)
インタビュアー:関康子 涌井彰子
ライティング:涌井彰子

Description

概要

大阪中之島美術館は、構想から30年以上もの準備期間を経て、ようやく2021年度に開館することになった美術館である。すでに、日本と西洋の近代美術をはじめ、現代美術、デザインなど多岐にわたる5,700点超のコレクションが所蔵されており、2022年4月から本格的な展覧会が開催される予定だ。
また、日本で数少ないアーカイブに力を入れている美術館でもあることも注目されており、昨年6月に訪問した折には、準備室室長の菅谷富夫さんから、その成り立ちやデザイン分野におけるアーカイブ事業の概要に関する貴重なお話を聞かせていただいた。
同美術館に所蔵されている資料群(アーカイブズ)は、「具体美術協会」、日本最古の広告代理店「萬年社」、広告頒布誌『プレスアルト』など多岐に渡る。また加えて、同美術館は家電を中心とした工業デザイン製品の情報を集積・発信するために設立された「インダストリアルデザイン・アーカイブズ研究プロジェクト(IDAP)」の事務局としての役割を担っている。
今回は、IDAPの情報収集から整理までの作業を行っている植木啓子さんを訪ね、具体的な仕事内容や直面する問題点など、より詳細な内容についてお話を伺った。

 

 

大阪中之島美術館準備室 作品

Interview

インタビュー

アーカイブは、保管・整理・公開が伴わなければ単なる倉庫
自分たちで整理・管理できるものなのか慎重に考える必要があります

IDAP設立の背景

 昨年、訪問した際は、美術館設立の経緯やデザインのコレクションなどを中心にお話を伺いました。今回は、アーカイブ事業についての詳細についてお聞かせいただきたいと思います。
こちらが事務局をされているインダストリアルデザイン・アーカイブズ研究プロジェクト(IDAP)では、家電を中心とした工業デザイン製品の情報収集を行っていらっしゃいますが、まずその背景について教えてください。

 

植木 IDAPの活動は、2014年の秋に立ち上がった、大阪中之島美術館準備室、パナソニック、京都工芸繊維大学との産学官連携プロジェクトから始まりました。ちょうど私たちも、戦後のデザインをコレクションするにあたり、大阪にある公立美術館としてのしっかりとした軸足をどこに定めるべきか、という問題を抱えていたんです。そうしたなかで、家電王国と呼ばれる関西において、その部分を欠かすことはできないだろうということになりました。
けれども、家電製品の包括的なコレクションをもつことは物理的に無理です。それで、自社製品を保存する企業と協力して、その情報を収集し、美術館はプラットフォームとしての役割を担う体制を考えました。そして2年後に、より幅広い企業や研究機関との協力関係を築くためにプロジェクトを協議会へと発展させ、現在に至ります。

 

現物とオーラルヒストリーから情報を収集

 工業デザインのアーカイブとなると、製品数だけでも膨大ですよね。さらに設計図や、パンフレットなど、関連資料も多岐にわたると思いますが、どのように情報を収集されるのですか。

 

植木 基本的には現物主義とし、実際の製品が残っているものを対象にしています。やり始めてからわかったのですが、設計図は残っていないことがほとんどです。製品の詳細を確認するために意匠登録の情報をあたることもありましたが、意匠登録特有の書き方というものがあって、製品の実際とは微妙に異なります。現物があれば、サイズも測れますし、製品番号などを記したラベルも貼ってあるので、そこからいろいろな情報を得ることができます。
企業に現物が残っていない場合は、個人の方が残しているものを探すなど、少しずつ紐解きながらやっている状態で、情報は意外にあるようでないんです。当初は、ありすぎて困るくらいだと思って、調査項目を120項目も設けたのですが、それが全部埋まったことは一度もありません。

 

 120項目もあるんですか。それをお一人で収集して記録しているんですよね。

 

植木 バイリンガルにした合計が120項目なので、内容としてはその半分の60になります。工業デザインの場合、素材がプラスチックだというだけでは情報が足りないので、成形や表面加工の方法など、技術的なことも含めるようにしています。60項目が埋まるようなことはありませんが、それでも美術品と比べると数は多いですから、一人ではなかなか進みません。

 

 現物を見れば、材質や加工までの情報がわかるものなのですか。

 

植木 製品開発を手がけたデザイナーの方から、材質まではなんとかわかっても、昔のものになればなるほど、その加工や見えない部分の詳細については当時の開発者にしかわからない、と言われたんですね。そこで、当時の開発者の方たちを訪ねて、製品開発の経緯から掘り起こすために、オーラルヒストリーを実施することにしました。
けれども、1950年代から1960年代までの開発に携わった方たちの多くは、残念ながら既にお亡くなりになっている。ご存命の方のお話は聞くことができているものの、オーラルヒストリーで得た情報と、現物から得た情報を完全に一致させるのは不可能なので、どちらの情報も手を加えず、異なる情報として扱い、まずはとにかく集められるものを蓄積していくという方針にしています。

 

 オーラルヒストリーも、植木さんお一人でされているんですか。

 

植木 一人の場合もありますが、企業の現役社員の方や研究協力者のOBデザイナーの手をお借りしてインタビューに取り組む場合もあります。しかし、インタビュー後の作業は私の手に残ります。現在、約20人の方からお話を聞けてはいるのですが、記録は溜まっていくばかりです。アルバイトさんに文字起こしをお願いすることもありますが、公開できる記事や報告書というかたちに整えるまでにはまったく追いついていません。
また、お話を伺ううちに、アプライアンスといわれる完結型の製品と、建材、内装、配線といったインフィル系の製品を、同じ方法で記録するのは難しいということがわかりました。そこで、インフィルに関しては、IDAPのなかで分科会として切り離し、積水ハウスのOBの方のご協力のもとで進めています。それでも、二人だけですし、今ではアプライアンスのほうの活動が滞りがちになってしまったので、今後はもう少し協力者を得て進めたいと思っています。

 

表からは見えない膨大な作業

 開発者がご存命のうちに訪ねなければなりませんし、膨大な調査項目も埋めていく作業もやるとなると、とても追いつかないボリュームですね。

 

植木 まだ製品数は少ないのですが、現在、美術館の暫定的なウェブサイト内に、IDAPのページを設けていて、その中にある「インダストリアルデザイン・アーカイブズ」というページに、情報の一部を製品の写真とともに公開しています(http://nak-osaka.jp/idap/archives.html)。そこに載せている情報は、大本の情報管理データベースから、発売年、寸法、主な素材・加工、価格など、公開用の項目だけを抽出したものです。例えば「主な素材・加工」の欄に掲載している内容は、情報管理データベースに、製品の細かい部分ごとに登録されている素材や加工の情報を簡略化して合体しています。情報管理データベースの項目を埋める作業は随時コツコツと進めているのですが、まだまだ登録できていない情報がいっぱい溜まっています。

 

 表に出ている情報からは見えない、膨大な作業を裏でしていらっしゃるんですね。そうした詳細な情報が取れる、設計図面や技術関係の資料なども、たくさん残っているのですか。

 

植木 設計図面や意匠登録に関する項目も設けているのですが、先にもお話した通り、こうした資料は開発者の方が保管されていない限り、なかなか出て来ないので、あまり埋まることはありません。残っている資料の多くは、お客様用や販促用のパンフレットですね。

 

 写真も、植木さんが撮られているんですか。

 

植木 何を撮影するかは私が指示しますが、撮影自体はプロにお願いしています。以前手がけた工業デザインの展覧会のカタログ用に、製品の全面を撮影したのですが、これがものすごく評判がよかったんです。前面だけでなく、背面や側面などを5面、6面撮ることで伝わる情報があるということを、そのとき実感しました。それなので、このページで公開している写真もいろいろな角度から撮影したもので、かなり大きく拡大できるようにしています。

 

工業デザイン特有の問題点

 美術館では、工業デザイン以外にも、デザインのアーカイブを手がけていらっしゃいますよね。

 

植木 IDAPは、大阪中之島美術館が取り組んでいる本来的なアーカイブ事業とは趣旨もかたちも異なります。実際の資料群を美術館で収集して、整理・保管する事業ではなく、あくまで情報収集と公開に特化したプロジェクトですから。一方、デザイン分野における本来のアーカイブ資料としては、前回の取材時に室長の菅谷がお話しした、萬年社という日本最古の広告代理店の資料のほか、『プレスアルト』という関西で戦前から1980年代まで発刊された広告頒布誌と発行元の「プレスアルト会」が所有していた資料があります。その包括的な整理・調査は、同志社大学の研究者を中心としたチームが進めてくださっています。
さらに、戦後の関西の都市建築の研究を進めるために、大阪市立大学の工学部との連携を始めています。家電・広告・建築の三つがそろうことで、戦後の関西・大阪の都市と生活を、俯瞰的な視点から捉えることができるようになればと考えています。
ただ、やはりこの膨大な数のものを、今のペースで進めていては、やるべきことは増えるばかりで減っていかないのが一番大きな課題です。おそらくどの分野でも、アーカイブをやっている方はみなさん同じだと思いますが、とにかくお金と人と場所が必要だということに尽きると思います。

 

 IDAPのほうも、大学と連携して学生に手伝ってもらうことはできないのでしょうか。

 

植木 大阪工業大学をはじめ、IDAPに協力していただいている大学はありますが、学生さんの協力となると、歴史的な工業デザインを研究テーマに選ぶ方があまりいないので、なかなか難しいですね。デザイナーを目指している人は、昔の製品には興味がない人が多いですし、デザイン史となると美術史以上に将来的につぶしがきかないので、手を出す人は少ないです。たとえデザイン史に興味があったとしても、今の学生さんはエコが謳われた時代以降に育ったので、大量生産・大量消費というものに悪いイメージをもっている人が多くて、昭和の工業デザインに注目してもらうのは難しいのかもしれません。
ただ、企業でアーカイブを管理されている方たちは、それを仕事としてやっているだけでなく、文化的な再発見があるということに対して賛同してくれたり、情熱をもってくださったりするので、とにかく美術館が開館する2021年度末までには、「ここまではできた」というかたちにして、次の世代になんとか引き継いで行けるようがんばろうと思います。

 

アーカイブ事業に共通する問題

 アーカイビングの専門家であるアーキビストがいる美術館はどれくらいあるのでしょうか。

 

植木 アーキビストを、アーキビストとして採用している美術館は、まだ少ないと思いますが、われわれの美術館には専門職としてのアーキビストが1名おります。アーキビストは美術とデザイン両分野のアーカイブズを管理しています。また、デザインを専門とし、デザイン作品とアーカイブ資料の整理・研究に従事する学芸員が室長の菅谷を含めて4人おります。これは日本でもわれわれの美術館だけだと思います。
今後のアーカイブ事業は、整理や管理、資料閲覧の対応、著作権関連の課題への取り組みなど多岐にわたります。一人のアーキビストがすべてを行うのは物理的にも時間的にも無理なので、開館時にはもう少し人的な補強は必要だと考えています。

 

 すばらしい体制ですね。現在、さまざまな業界で、アーカイブの重要性が急速に認識されつつありますが、それについてどうお考えですか。

 

植木 おそらく、今まで溜めに溜めてきたものが、どこも限界に近づいている状況なのではないでしょうか。われわれの美術館は、30年間も準備室の状態だったということも特殊なのですが、建物がないなか、公開の場が限られているなかで収集を行ってきたという、通常とは異なる状況があります。念願の開館を前にして、集積した資料の公開という課題にあらためて向き合うことになり、整理の必要性が他館よりも急速に高まったので、アーキビストが必須だと考えたのだと思います。
また、作品だけでその周辺の資料がないと、研究にも自ずと限界があるということを、キュレーターや研究者がわかっていたとしても、けっしてお金が潤沢にある業界ではないので、目の前に迫る展覧会を回していくので精一杯だったという部分もあるでしょう。アーキビストが必要だという認識が広まるのは非常にいいことですが、だからといって現在抱えている問題が解決したわけではないんですね。

 

 MoMAやV&Aなど、海外のミュージアムのアーカイブは充実しているのですか。

 

植木 彼らとしてはけっして十分ではないと思っているのでしょうが、われわれから見たらうらやましいほどの環境でアーカイブ事業が進んでいます。MoMAにしても、V&Aにしても、アーカイブ室を設置していますし、公開もしています。デザイン分野で言えば、ニューヨークのクーパーヒューイット・デザインミュージアムも近年アーカイブ事業をずいぶん推し進めましたし、ドイツのバウハウスアーカイブ&ミュージアムもバウハウス100周年にあたって外部資金を調達し、アーカイブをさらに充実させています。ただ、抱える問題の本質は、われわれのものと同じだと思います。

 

 金・人・場所の問題というか、お金が一番の問題ですよね。予算があれば、人も場所も確保できますから。

 

植木 本当にその通りだと思います。文化活動に対する予算が増えないなかでは、どこかをプラスしたら、結局はどこかをマイナスにしなければいけません。その中で一番いい選択はどこなのかを、みんな一生懸命考えて、考えて、考え続けて、また次の世代に移って、また考えて、考えて……となっていくしかないような気がしています。
IDAPに携わるようになった当初は、あと10年早く始めていたらもっと違っていたのではないかとよく思いました。でも、その一方で、始めていなければ失われてしまっていたものはたくさんあったのだろうと。おそらく、最初に思い描いていた理想のかたちに到達することは、私のキャリアの中ではないでしょう。けれども、始めたことはよかったのだと思っています。

 

アーカイブを受け入れる際の要望

 これまでの取材を通じて、アーカイブを受け入れる側の方々のご苦労を目の当たりにしました。特に、無造作に資料を入れた段ボールが大量に持ち込まれている状況を目にしたとき、寄贈する側が整理する側の作業に即した送り方をすることで、負担を少しでも軽減できるのではないかと思ったのですが、最低限これだけはしておいてほしいということは、どんなことでしょうか。

 

植木 種類ごとに分けてくださると大変ありがたいです。例えば、グラフィックデザインの場合だと、校正稿や指示書など制作プロセスがわかるものと、成果物である印刷物と分けていただけると、だいぶ楽になります。

 

 プロジェクトごとではなく、モノごとのほうがいいのはなぜですか。

 

植木 プロジェクトごとでも、何もされていないよりはいいのですが、例えばグラフィックデザインの場合だと、印刷されているものと、水彩やペンが使われているものでは、保管するときの扱いが微妙に違うんですね。たしかにプロジェクトごとにまとまっていると時系列で追えますし、その背景を知るにはとても便利なのですが、最終的な保管を考えた場合、媒体別に分かれていたほうが楽なんです。当然、納めておく箱の大きさがあるので、大きさ別になっているとさらにいいのですが、まずは印刷物とそうでないものに分けていただけると、とても助かります。ほかの分野の資料では事情は異なるとは思いますが。

 

アーカイブを維持するための取捨選択

 アーカイブとしては、あるがままの状態で取っておくのが一番の理想ですが、スペースは限られていますから、どうしても取捨選択せざるを得ないことがあります。そのあたりはどのように対応されていますか。

 

植木 価値判断で選別はしませんが、アーカイブの方針としての判断による取捨選択はしています。扱う分野によって違いますが、グラフィックデザインの場合は、いったんすべてを受け取って、校正稿など同じものが複数枚あるものは基本的には1枚だけを保管します。残りについては、明らかに資料的価値がないものや、状態が悪すぎてほかのものに悪影響を及ぼすものとともに、元の所有者にお返しするか、同意を得て処分することにならざるを得ません。本については、公立図書館に所蔵されている一般図書などは基本的にはいただきません。ただし、そこに作家の書き込みがあるなど、一般複製物とは違った独自性のあるものの場合は残しています。そのため、寄贈していただくときには、そうしたさまざまな事情で廃棄することに同意していただく必要があります。

IDAPは、製品自体は企業で保管しているので、まだ私一人でもやっていけますが、実資料を受け入れる場合は、負わなければいけない責任も大きくなります。ですから、何でも預かるのではなく、自分たちの手で賄いきれるものなのかどうか、よく考えたうえで受け入れの判断はすべきだと思います。保管と整理と公開が伴わないと、アーカイブではなく単なる倉庫になってしまうので、そこは常に慎重に考えなくてはいけないし、慎重に考えるうえで基準を示してくれるのもアーキビストの仕事だと思うんですね。

 

デジタル時代のアーカイブの方向性

 あらゆるものがデジタルに置き換えられる時代になって、今後のアーカイブもコレクションも、モノからデジタルになる割合が増えていきます。そうなると、保管の仕方も大きく変わりますが、そのあたりはどうお考えですか。

 

植木 データは生ものですから、サーバーという名の冷蔵庫に入れておきますが、賞味期限があるので、10年後、20年後には使えなくなっている可能性があります。あるいは、冷蔵庫自体が壊れていて取り出せなくなることもあります。そうした部分を、連続性をもって検証しながらデータをケアしていくことがいかに重要かということを、うちのアーキビストが口を酸っぱくして言っているのですが、そのような意識はまだそれほど広く普及していないと感じています。ですから、データを受け入れる時に、どのような形態、どのような質のものを入れればいいのかを、専門的な知識をもって判断できる人間が必要だろうと思います。

 

 世界的な動きとしてはどうですか。

 

植木 デジタルコンテンツのコレクションは、世界的にあまり進んでいないようです。MoMAでも始めてはいますけれども、モノのコレクションに比べたら遅いというか、様子見をしている感じがします。今の段階では将来的にどういう規模になって、どのような負担が生じるのかを見極めるのはとても難しいと思いますね。スペース的に考えるとデータは場所を取りませんが、メンテナンスコストなどがどのような規模になるのか、今の段階ではわかりませんから。

 

 セキュリティ、ハードディスクの寿命、記録メディアやクラウドなど、今後大きな変化があったときには、丸ごと入れ替えなければいけない可能性を考えると、常に手間がかかるので、最終コストとなると想像がつきませんよね。

 

植木 そうですよね。例えば、紙資料は、適切な保存環境さえ用意すれば100年は大丈夫です。今の紙は酸性紙ではないので、もっと長くもちます。つまり、100年間放っておいてもいいわけです。データは、状態が悪化していないかどうかを目の前で確認できませんし、いざというときに開かなくなってしまう可能性があります。
私たちも、作品を撮影したデータの入ったハードディスクが壊れて開かないという失敗を何度も経験したので、デジタルは要注意ですね。今後は、自分たちでデータを抱えるのか、クラウドに預けるのか、そもそもコレクションとはなんぞや、というようなことまでいろいろ考えながら、ぐるりと回って戻ってくるのかな、という気がしています。

 

開館に向けた今後の展望

 今後、デザインのコレクションやアーカイブの収集については、関西の方を優先されていくのですか。

 

植木 デザインに関しては、先ほど申し上げた通り、日本には公的なデザインミュージアムがありませんし、デザイン専門の学芸員が4人もいる美術館は国内にありませんから、関西だけに特化するようなことはないと思います。
ただ、大阪に美術館を構える意義や意味を常に考えていますし、地元の財産や文化というものを、われわれが掘り起こさないで誰が掘り起こすのか、われわれが残さないで誰が残すのか、という思いはあります。けれども、大阪のことだけをやって、「大阪はよかったね話」をつくるつもりはないんですね。単なる地域史ではなく、全国的あるいは国際的な視野をもちながら、地域の財産がどれだけ大きな影響を残したかということを示していきたいと。そのためには、まだまだ溜まっているものをコツコツと整理しなければなりません。
美術館は、2022年の3月までに開館して、本格的な展覧会は4月から開催する予定なので、それに向けて鋭意努力していきたいと思います。

 

 2021年度の開館を楽しみにしています。お忙しいなかお時間をいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

問い合わせ先

大阪中之島美術館準備室 http://www.nak-osaka.jp

インダストリアルデザイン・アーカイブズ研究プロジェクト http://www.nak-osaka.jp/idap/index.html

HEARING & REPORT

どうなっているの?
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調査対象(個人)は、2006年朝日新聞社刊『ニッポンをデザインしてきた巨匠たち』を参照し、すでに死去されている方などを含め選定しています。

*は死去されている方です。

 

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